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- 2021.05.16
こんにちは。The KAMAKURA WEDDINGの長谷川です。
古都鎌倉での結婚式に欠かせない和装の結婚式。
本日は、花嫁衣裳として人気の白無垢についてご紹介させていただきます。
白無垢は室町時代の頃から武家の娘の婚礼衣装として用いられるようになり、
最も格式の高い婚礼衣装とされていました。
神様に仕える人の衣裳が白だったことから、邪気を払い、神聖な儀式に臨むときの
衣裳であり、花嫁衣裳として用いられたとも諸説、言われています。
また、白無垢の「白」には、「純潔」「嫁いだ家の家風に染まる」という意味があり、
これから新しい家にお嫁に入る婚礼の衣装にふさわしいという、日本らしい理由があります。
ところで、一見「白い無地の着物だし種類も少ないのでは?」と思われがちな「白無垢」ですが、
実は素材や織り方・柄などの違いによって、色々なバリエーションがあるのをご存知ですか?
私共でご紹介させていただいている白無垢は、全て正絹。
天然の絹を用いています。天然だからこそ、真っ白というよりは
少し黄味がかっていて、落ち着いた光沢感としなやかな手触りのよさが特徴です。
そして、白無垢の柄も様々ですが、こちらは唐織の白無垢です。
伝統的な日本の四季の草花を全体に配し、奈良時代に中国から伝来し、
江戸時代以降にきものの文様として人気を得た団扇(うちわ)を織り込んだ白無垢です。
唐織は、縦糸に対して、柄を織り出す横糸を太くし、ボリュームがあるのが特徴です。
花嫁の、麗香様のお名前から綺麗なお花をイメージ、新春ということで桜柄をお選びいただきました。
会場の装飾とも相まって季節感のあるやさしい雰囲気を醸し出しています。
そしてこちらの白無垢の柄は『松喰鶴(まつくいつる)』
松の小枝をくわえている鶴の柄です。
白無垢に施された刺繍の柄は、夫婦円満の象徴である鶴と、これから伸びゆく、清々しい生命力を宿した若松をプラスしたおめでたい柄と言われています。
着物全体に大きく羽ばたく松喰鶴は、愛情たっぷり受け育ててくれた親御様への感謝
裏地の赤い色は、子供の成長を願って育ててくれた想いを忘れずに、ご新郎様と一緒に人生を共にしますという想いがこめられた一着です。
そのお着物お着物に、込められた作り手の想いと選んだ花嫁の願いが伝わってきます。
そして、花嫁が被っているのは『綿帽子』
花嫁の頭をすっぽり覆う真綿の布で、武家の女性の塵除けや防寒として
使われていたのがはじまりと言われています。
ウエディングドレスのときに被るべールと同様、魔除けや災難から身を守る、
旦那様になる人意外に顔を見せないようにするなどの意味があります。
奥ゆかしい、控えめな女性の印象を与えますね。
柄によっても意味があり、素材感で印象も変わる白無垢は、花嫁しか着ることができない奥深いお着物です。
自然に囲まれ、日本の建築様式である数寄屋造りの建物が、純白に輝く白無垢をお召しの花嫁の美しさを、さらに際立たせています。
私たちは、日本の伝統的な花嫁衣裳を身にまとい、人生の通過儀礼ともいえる節目の結婚式をこれからも大切に継承していきたい。
そう願っています。
次回は、色打掛についてご紹介させていただきます。